家づくりは、先を見据えた将来設計が大切です。そのためには、流動的に対応できる建築設計が望ましいでしょう。私たちが家づくりに着手した頃、まだ子供はおらず、夫婦二人の生活でした。将来的に子供がいる暮らしを想定し、子供部屋を含めた間取りを考えることにしました。家づくりを進めながら、具体的な将来設計を描いていくことになります。
和室がキッズスペースに
一階にある和室は用途にこだわらず、使いやすいように工夫しました。
・リビングとの境は可動式の三枚扉にしました。
⇒間口が広がり、部屋を見通すことができます。
・扉の敷居の段差をなくして、バリアフリーです。
⇒つまづいて転ぶ心配もありません。
子供が小さいうちは、和室の畳にコルクカーペットを引き、体を動かせるように滑り台付きのジャングルジムを置いていました。目の届くところにあるキッズスペースとして活用しました。
現在、和室の空いたスペースが、私のパソコン作業場となっています。作業をしながら、側にいる子供の様子をみることができるのが、利点です。実は、設計の段階で和室を作らずに、洋間だけで構成する案もありましたが、結果的に和室を作っておいて正解でした。
キッズスペースとして活用していた和室も、将来は違う形で活用できます。子供の成長と共にライフスタイルに合わせ、部屋の使い方も変化するでしょう。
子供部屋の存在
子供が小学校に上がるのを機に、私たちは寝る部屋を2階の子供部屋に移します。現在はまだ小学校低学年なので、宿題はリビングのテーブルを使っています。もう少し大きくなれば、子供部屋で勉強したり、一人静かに過ごしたりするようになるでしょう。
子供部屋は、学習机やベッドを置いても十分な広さです。身の回りのものを整理する収納もしっかり備え付けられています。窓が二つある南向きの部屋で、日の光がたくさん入る明るい部屋で、子供部屋にピッタリな環境です。ただし我が子は甘えたがりなので、実際に自分の部屋として使うようになるのは、まだまだ先の話かもしれません。
それでも自分の部屋の存在は、子供にとっては大きいようです。自分のためのプライベートスペースであり、邪魔されない空間です。そんな約束された空間があるだけでも、心に余裕が生まれるのではないでしょうか。さらに感性が豊かな子なので、いざ使うようになれば、部屋を好きなようにカスタマイズするのも一つの楽しみだと思います。
子供からの「なんでロフトを作らなかったの?」という問いに、もっと遊び心を取り入れ設計にしたら、もっと楽しめたかもしれないなと思うこともあるのでした。
子供の成長と共に変化していく暮らし
自由に将来設計を描き、形にしていくのが家づくりの醍醐味でしょう。子供の成長と共に暮らしも変化していきます。子供が成長して大人になったときにも流用できる部屋の広さや作りにしておくことも必要でしょう。そのときに合った最適な暮らしに変化させることができる住まいが理想的です。
長い目でじっくりゆっくり練った将来設計は、注文住宅における家づくりの土台となるでしょう。